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聞香稽古 麹町 「恋する古事記」須佐之男命と櫛名田比売



八雲立つ 出雲八重垣 妻籠みに

 八重垣作る その八重垣を

 

以前、日本文化藝術財団のブログ「四季おりおり」に次のように書かせていただきました。

 

“その山陰地方の伝説にヤマタノオロチの物語があります。
スサノヲノミコト八俣(やまた)の大蛇(おろち)退治です。

このお話の八つの頭と八つの尾をもつ大蛇は豪雨で荒れ狂う川にたとえたものといわれます。

『古事記』には、「汝の哭(な)く由(ゆゑ)は何ぞ」と問ひたまへば、答へ白(まを)さく、「我が女(むすめ)は本(もと)より八稚女(やをとめ)ありしを、この高志(こし)の八俣のをろち年ごとに来て喫(くら)へり。今そが来べき時なるが故に泣く」とまをしき。
(「あなたはどういうわけで泣いているのか」とお尋ねになった。これに答えて、「私の娘はもともと八人おりましたが、あの高志の八俣の大蛇が毎年襲ってきて、娘を食ってしまいました。今年も今、その大蛇がやって来る時期となったので、泣き悲しんでいます」と申した。:『古事記』次田真幸全訳注より)

出雲国に天降った須佐之男命(スサノヲノミコト)は、八俣の大蛇に食われそうになった櫛名田比売(クシナダヒメ)を救います。

ヒメが大蛇に呑まれるというのは、雨期になると肥河(ひのかわ)が氾濫して稲田が壊滅する恐ろしさを神話的に語ったものなのでしょう。
(ヒメは日本書紀に「奇稲田姫(くしいなだひめ)」と記されているように、稲田の女神の意味なのです)

この神話は、須佐之男命に象徴される勇敢な男たちの物語ではないでしょうか。
そこには、大蛇として表わされた川にむかいあい、神に祈り、知略あふれる治水の作業によって、毎年の氾濫を止めた人々がいたのです。
その活躍は、出雲の地に豊かな実りをもたらしたことでしょう。

梅雨の豪雨から命がけで稲田を守り、米作りに励んでいた古代人の姿が見えてきますね。
自然からのメッセージは大切です。
しっかりと受けとめて、生きていきたいものです”

 

麹町での聞香稽古は、

この須佐之男命と櫛名田比売との愛を主題に香りに聞きました。

高天原から天降った須佐之男命が櫛名田比売と出会い、八俣の大蛇と戦い、苦難を超え、愛を得て生きていく二人。

 

立ち上がるのは、古代の香り!

 

香りに聞かれて

 

  大いなる 禍払い 手にしたる

   八雲湧き立つ 出雲の実り

淑子

 

  

涙する 乙女をつつむ 光の環

   凍てし心に 漣の立つ

              羑子

 

  

八重垣に やさしき光 満ちあふれ

   心やすらぐ 新しき朝(あした)

               羑子

 

  八雲立つ 出雲いとしき 妻のもと

   勇者はしばし 翼やすめん

               敦子

 

巴さんは愛する息子へと題して

 

  八雲立つ 出雲八重垣 母の里

   守り育てん 実りの大地

 

  八雲立つ 出雲に降りし 須佐之男の

   命(みこと)とともに 守る櫛名田

 

  妻籠みに 八重垣つくる 須佐之男の

   命(みこと)のごとく ひろがりつつめ

              

 
| 香りの冒険者 | 13:32 | comments(0) | trackbacks(0) |
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