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聞香稽古58 古事記 大国主神
 

今月の麹町での聞香稽古は8月お休みしました。
そこで、主題の「古事記」も前に一つ進み「大国主神」。

聞香

大国主神

一、         証詞

八千矛の 神の(みこと)や ()が大国主 ()こそは ()(いま)せば

・・・・・略・・・・・・

二、香組

六国五味

三、聞法


 香に聞く
大国主神と須勢理毘売(すせりびめ)の心


いよいよ、国造りと国譲りの場面になっていきます。

因幡の白ウサギを大国主が助ける場面から始まって、
大国主のさまざまな試練が展開し、
その試練を乗り越えて、須勢理毘売(すせりびめ)を妻に迎えます。

嫉妬深いですが健気で賢い妻。
素晴らしい神語の歌が詠われるのです。

八千矛の 神の(みこと)や ()が大国主
 ()こそは ()(いま)せば・・・・・

()()()()()


伽羅は、おおらかに香りました。
羅国は、屈折した中にも愛がある香り。
そして他の香木は、やさしくも激しい香り。
また、隠した嫉妬心のような香りも・・・・・。

香りに聞きて
皆様の詠われたのは、

 八千矛の 君と手をとり ふみこえし
   あれもすてこれもすててし 黄泉比良坂(よもつひらさか)
                         良子

                     

 

 ともに生く 激しきときを 耐え抜いて
    穏やかな時来る 神語りかな   
                         敦子


 

 みずからの えらびし道に くいはなし 
   ただひたすらに 歩みつづけむ
                         羑子


 
 

 紅椿 我が群れいなば 泣かじとも 
  むしぶすまの香に 心落ちつく
                         巴

 

 勾玉に祈りをこめて 神語り 
   想いのたけを 君よ聞かまし
                        淑子



  

                    
  
   

()()()()(
























































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































)

 

| 香りの冒険者 | 16:17 | comments(0) | trackbacks(0) |
光の香り:『CAMP』范文雀(はん ぶんじゃく)
 
sei
范文雀:『CAMP』
著者:范文雀 発行所工作舎

アルバムから写真へ 写真から事態へ
女はいつも百の事件の観察者だった
今日もまた写真師たちが馬車に乗って迎えにやってくる

表紙にはこのように書かれ、数多くの写真と言葉が刻まれている。
不思議な魔力を昂める写真集。

画家の佐藤久美子さんが、ピンホール・カメラを作られた。
それが、とても可愛いカメラなのです。

それがきっかけで、思い出しました。
写真家の北代省三先生が、女優の范文雀さんをピンホール・カメラで撮影されているところを、撮影した事を。

その写真が掲載されているのがこの本なのです。

松岡正剛さんがディレクション。
表紙にあるメッセージのように、多くの写真師たちが范文雀さんと
夢を語り合いました。
僕もその写真師の一人です。

すてきな協力者たちも参加されました。
土方巽、武満徹、立原正秋、深作欣ニ、萩本欽一、前川清、
野尻抱影の各氏、そして、范さんの女学校時代の先生も、
そうそうたるメンバーです。

では、北代省三先生のピンホール・カメラでの撮影風景と
ピンホール写真を。

sei

北代先生の姿勢を見てください。
とても素晴らしいです。

そして、作品。

sei

それは不思議と音のない世界だった。
夜が明け始めて風のまだ眠っている間にこっそり出かけた。
夏の前なのに太陽はもうじわじわ私に迫ってきた。
私が息を止めている間、起き始めた風が私をいじめる。
ピンホールの朝は静かだ。
夢の島は赤いキリンの見える別世界。
一時代前の写真屋さんは古めかしい写真機をいじる手品師。
平和な北代さんは時のまりをころがして平和な朝をくれた。 范文雀

sei


カメラの原初・ピンホールの香りたつ光の魔術。
これが、写真というドラマの始まりなのです。

では、レンズが結ぶ光、その写像の香りもあじわってください。
范文雀さんとの夢の会話は表紙からはじまりました。

豊島園の夕暮れ、光は淡いのです。
范さんの姿も淡いのです。
シャッター速度を1秒に、そして、ストロボ。
ストロボの光を放った後、一秒の間、漂うようにカメラのなかに
夕暮れの光が吸い込まれていきます。



ゆれる光跡、影、范さんの笑み。


日本画廊にて。

sei

そこには、大好きな木馬が棲んでいました。

sei

sei

墓堀り人夫が言うことにゃ
花火を見ると血が騒ぐそうな
目を洗われたようになるそうな
土から這い出したモグラが言ってたヨ
あいつは昔
夾竹桃の葉を食べたんだとサ
               范 

sei

sei

范さんは木馬が大変気に入りました。

木馬も范さんを大好きになって、自分の秘密を教えようとしました・・・


sei


立ち上がる、范さん。
ソレハ、マルデスロモーションを見ているよう、
カメラのマガジンには12枚が残されるのみ・・・
動きがすべて止まったよう、
シャッターはひとつひとつ確実に入っていきます。
范さんのうごきがはっきりと見えるのです。
不思議な感覚です。
時間がノビテル。



sei

○夜が明ける頃は
夕暮れなのでもう寝ます
             范


sei

○あなたに毎日会いたい病気で動けない    范


夜行列車に乗り込みました。
着いたところは誰もいない駅。


sei

雨が降ると恋しい気分
恋しくなると雨が降る
夕暮れ時は恋しい気分
恋しくなると日が暮れる
寒い時は恋しい気分
恋しくなると肌寒い
略・・・
一人でいると恋しい気分
恋しくなっても一人きり   范


そこは、雪国でした。

sei

雪国に憧れて、汽車をいくつも乗り継いで寒さのはてまできてしまった。
雪のほら穴にひそんで、足長おじさんが迎えに来るのを待っている間、
私の関節はくっつき合って、まばたきするのも、息をするのも忘れてしまった。
私の耳は雪と雪のひそひそ話を聞き、凍てついた空気の一人言を聞くと
ようやく息をふき返し、闇夜のわけがわかってくる
・・・略・・・    范




最後に、好きな写真。

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范さんが車の免許の書き換えに行くということで、一緒に出かけました。
自分の小さな写真を見て、うむ。


そして、

sei

横浜での撮影風景。


范さん、皆さん、ありがとうございました。


光がフィルムの銀粒子を感光させるとき、
あるときはやさしく、
あるときははげしく、
香りを発するにちがいない。

「聞香(もんこう)・光と銀粒子」です。

光の香りは、ぼくたちになにを伝えたのだろう。
それは、出逢い、信じ合う、そのことの喜びです。

| 香りの冒険者 | 23:34 | comments(0) | trackbacks(0) |
聞香稽古ー57  古事記
 

麹町での聞香稽古の主題は、「天照大御神と須佐之男命」でした。

証詞は「天照大御神出でましし時・・・・・・」

香りは六国五味。
聞法は、香りに聞く天照・須佐之男の心。

古事記に語られる天の岩戸の有名な場面が
香りとともにあらわれてきます。

今回の「古事記」シリーズでは
香木はやさしく、ときには力強く香りたってきます。
回数を重ねるうちにそのドラマが身近になってきました。

香りに聞いて
羑子さんは詠われました。

 闇を裂く 紅蓮の炎 満ち溢れ
  命ふたたび 輝く大地


敦子さんは

 岩戸開け あふれる光 とりもどす
  神々の想い 今こそこの国に


淑子さんは

  
 
 陽が沈み 月もかくれて 海原の
   浪さかまきて あらぶる神

 

 
巴さんは

 恋うる須佐之男 渡る高天原
  許され追われ 出雲至れり
 


 


 
| 香りの冒険者 | 15:58 | comments(0) | trackbacks(0) |
聞香稽古ー56  古事記 水の和聞香体験講座:「恋する古事記」
 

9月8日の土曜日は
金王八幡宮にて「水の和聞香体験講座」の第四回目。

 主題は『恋する古事記・因幡の白兎・大国主神』。
 
その中で、須勢理毘売は詠います。
「八千矛の 神の命や 吾が大国主 汝こそは 男に坐せば
・・・・・略・・・・・・」
そして、香に聞く大国主神・須勢理毘売の心でした。
...

香奈さんは神妙に出香の準備です。

今回も多くの方々にご参加いただき誠にありがとうございました。

参加された方のコメントは、

「昨日は 本当に素敵な会を、ありがとうございました…
須勢理毘売の健気さに、心打たれた一時でした。

また、参加できたらなと思っております!
よろしくお願いいたします」。

そして、

「伊達先生、おはようございます。
土曜日はお世話になりました。ありがとうございます。

あの後、所用がございましてタクシーにのりましたところ、運転手さんから
「お着物に香をたきしめているなんて"達人"ですね」と言われました(^^)
自分では気づいていなかったのですが、お部屋の香りが着物にうつっていたんですね。

次回も楽しみにしています。ありがとうございます」。

ということでした。

こちらこそ有難うございました。



| 香りの冒険者 | 07:02 | comments(0) | trackbacks(0) |
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