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聞香「こいのぼり」 日本文化藝術財団「杜の中の文化祭」



5月3日には、
日本文化藝術財団主催の「杜の中の文化祭」が催されます。




私も、イベントこどもの杜の「日本の香りを聞いてみよう」を
担当します。
今年も、元気な子どもたちと香りを楽しめることでしょう。

香りの主題は「こいのぼり」にしました。

元気な「まごい」「ひごい」が5月の空に泳ぐことでしょう。

すてきな風をとらえておよぐこいのぼり
どのような香りでしょうか。


| 香りの冒険者 | 20:07 | comments(0) | trackbacks(0) |
香の合間に季節は巡る
 
新宿御苑の桜 seicho


過ぎゆく季節・・・・・




暖かい陽光に鯉ものんびりと・・・・・


御殿山にて seicho


| 香りの冒険者 | 17:29 | comments(0) | trackbacks(0) |
聞香記ー49  聞香体験 主題「乃木希典」
 


今月は、主題を「乃木希典」としました。
香りに乃木希典の心を聞くのですから、
乃木将軍の心に少し近づいてみることからはじめましょう。


十六歳で、乃木希典は、長府の家を出た。
無断で出てきたのだから、当時の言葉で云えば、
出奔ということになるだろう。
目指す先は萩の松本村である。
                 『乃木希典』福田和也著より

十六歳の少年が歩き歩いて着いた先は、萩の玉木文之進の家。

文之進は吉田松陰の叔父で松陰を育てた人。

その玉木家は、乃木家の分家。

この年の五年前に、松陰は刑死していました。


「或時学者となりて身を立てんとの志を起し、家父の許可を請ひしに、家父は武士の家に生れたるものが、かゝる懦弱なる事にては宜しからずとて、断然として許可せざりき」
                
『乃木院長記念録』より

このような思いで、玉木家を訪れた乃木に対して、
文之進は、

「武士の家に生まれて武芸を好まずば、百姓をせよ」
山鹿流の武士道観――武士は高い倫理と使命感、一旦時きたれば身命を投げ出すことによって百姓に養われているのであって、その責を逃れたいのならば士籍を脱して農民になるべきだ――からすれば、当然の発想だが、乃木少年は愕然とした。
                 『乃木希典』福田和也著より

時は、元治元年(1864)。
この年の
6月 5日には、新撰組による池田屋騒動が起こり、
7月19日、長州藩兵による蛤門の変。
7月23日、幕府長州征伐を令す。
8月 5日、英仏米蘭四国連合艦隊17隻下関海峡に入り、
      海峡諸砲台を砲撃。
8月11日、萩藩毛利慶親、家老井原主敬を下関に遣し、
       講和の趣旨を諸兵に告論。
12月16日、払暁、萩藩士高杉晋作藩論を恢復せんと欲し、
        同藩遊撃隊総督、石川小五郎、力士隊総督伊藤俊輔らと
       共に下関新地会所を襲撃占拠。ついで同志十余人を率いて
       三田尻に至り、発亥・丙辰の二藩船を奪い下関に帰港。
       (資料:『乃木希典』大濱徹也著 乃木希典年譜より)

時代は幕末から明治へと激動していたのでした。






まずは少年時代の苦悩の心を知ること。

どのような香りにつつまれるでしょうか。

   


画・晟聴






| 香りの冒険者 | 09:52 | comments(0) | trackbacks(0) |
香の合間に
 
seicho さくら


昨年、高知から持ち帰った「桜」と「花桃」が咲きました。

最初に開いたのは下の写真の花桃です。



seicho はなもも


二週間ほどたって、桜が開きました。




seicho さくら



seicho はなもも


生命力あふれる花の共演を楽しんでいます。

あと八重桜が一本。
この花はもう少したてば花を咲かせるでしょう。

季節の巡りを感じながら、いのちの大切さをかみしる日々。


今月の聞香主題は、「乃木希典」です。

幕末から明治に生きた日本人の心を香にたずねる旅となります。

どのような香りとなるのでしょう。
楽しみです。








| 香りの冒険者 | 17:33 | comments(0) | trackbacks(0) |
聞香記ー48 夢幻香



人間五十年 下天の内をくらぶれば 
夢幻の如くなり
一度
生を得て 滅せぬ者のあるべきか 
                 敦盛 幸若舞




 
seicho

麹町の聞香稽古は、
二か月遅れで主題「織田信長」でおこないました。

幸若舞の敦盛「人間五十年 ・・・・・」を舞って、

桶狭間へ疾駆していった信長。

戦争の子、信長、
四十九歳本能寺にたおれるまで

百回以上に及ぶ戦いの日々。

その精神とはいかなるものか。
倫理とはいかなるものか。

その果てしない戦い。
その中から見えてくるものは何か。

彼が成し遂げた現実の変革。
新しい文化の創造。

 

安土城築城。
戦争の精神。
文化の精神。
その結合。

道をつくり橋を架け、
関所を撤廃し、
楽市楽座を設け、
商業を活発にし、
農民を開放し

工業を興し、
税を改め、
人々の暮らしの確立。

中世から近世への時代の転換。

今回は聞香炉の代わりに、
倉敷で手に入れた蕎麦ちょこを使ってみました。
模様が楽しかったからです。
すこし大きめですが、手にもゆったりフィットして、
豊麗な香りがたちあがりました。



巴さんは、香に聞き

 夢澄みて無念の中に神宿る
  信長語らん 梅一輪



羑代さんは

 深く澄む紺碧の空に見るものは
  すべて幻はかなき夢よ

 蒼穹のかなたに見えし幻は
  異国を歩む己が姿か



敦子さんは

 みはるかす湖上に浮かぶ能舞台
  夢幻のうたと吹きわたる風



淑子さんは

 戦乱の世を駆け抜けしつわものの
  残せしものは今のこの国




seicho  安土にて













| 香りの冒険者 | 22:50 | comments(0) | trackbacks(0) |
聞香記ー47 聞香稽古・吉田松陰
先日は、
虎ノ門にある特定非営利活動法人日本伝統文化振興機構にて聞香稽古。主題は吉田松陰です。


志を立てて以て万事の源と為す。

 吉田松陰 (一八三〇〜一八五九年)



模写  seicho

「私のような人間でも、吉田松陰のことを考えると、少しく泣きたいような心もちになる」と、
その著書『乃木希典』で述べられているのは福田和也氏。

その吉田松陰を、
わが身に近く感じるために香りをたいてみました。


幕末の動乱時期、
自らの命を懸けて日本の未来を考え行動した吉田松陰。

その松陰の私塾・松下村塾では、高杉普作をはじめとして、
久坂玄瑞、伊藤博文、山形有朋などが育っていきました。

その松陰は、日本の将来に危機感を持ち、
彼らの一歩先を、全力で疾駆していた人です。

 

◎留魂の願い

刑死する前に書かれた遺書、『留魂録』の冒頭には、

身はたとひ 武蔵の野辺に 朽ちぬとも

    留め置かまし 大和魂


と、“魂”を留め置く“録”をしたためた松陰。

 

「自分は間もなく三十年の生涯を閉じるが、
十歳で死ぬ者もあれば二十歳で死ぬ者もいる。
それぞれの人が春夏秋冬の四季をもって
天から与えられた寿命を終えるのだから、
私にも四季の終わりが来たにすぎないのだ。
長いとか短いとかを問題にはしない。
この三十年で私のむすんだ実はモミガラであったか、
粟であったか、私の知るところではない。
もし同士諸君の中に私の志を継いでやろうと人があったら、
それは私の実らせたものが、
モミガラでなくて確かに種子であったということになる。
どうか諸君、私の胸の中を察してくれ」

 


松陰の胸の内を、
香りに聞いてみようと思いました。

選んだ香木は、
伽羅(きゃら)、羅国(らこく)、寸門多羅(すもたら)の三種。
伽羅は堂々とした人格を表現し、
羅国は真心そのもののように香り立ちました。
寸門多羅は身をこがすように香り、
何とも切ないおもいにつつまれてます。

秀悟さんは、香りに聞きて

 身はたとえ 疲れくちてや ふせれども
   こころは満ちて なお盛んなり

康司さんは歌を作るのは二回目。
真剣な面持ちで詠われました。

 身はたとえ 武蔵の野辺に くちるとも
   たんぽぽの花なり 国となるらん




seicho  房総の空

松陰の魂は大空高く飛翔しつつ、
私たちを見守っていてくれていることでしょう。

いま世界の中の日本は・・・・・。









| 香りの冒険者 | 14:26 | comments(0) | trackbacks(0) |
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