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聞香記ー12  源氏物語
 
seicho画 模写

今月14日は、『源氏物語』を主題にして聞香の会。

父と母との哀しい愛の場面から語られはじめる「源氏物語」。

 いづれの御時にか、女御、更衣あまたさぶらひたまひける中に、いとやむごとなき際にはあらぬが、すぐれて時めきたまふありけり。

平安時代、宮中でこの最初の一行を読み始めたとき、当時の読者、つまりは、女御、更衣たちはドキッとしたことでしょう。何かが起こる!

いとやむごとなき際にはあらぬが、
すぐれて時めきたまふ

尊くない身分の更衣が、帝のご寵愛を受けている、
なに・・・・・なんですって・・・・・
そんなこと許されるはずはないでしょう・・・・・
どうしたことなのでしょう・・・・・

案の定、 
いとやむごとなき際にはあらぬが、すぐれて時めきたまふ
人、桐壺更衣は他の后たちに妬まれ、嫌がらせの限りを受け、
その執拗ないじめの中で病気になって・・・・・
帝との間に生まれた皇子をのこし亡くなってしまうのです。
皇子3歳の夏でした。
その皇子こそ、後の光源氏。

小記録の証歌は、死の直前の桐壺更衣の悲痛な声、

限りとて別るる道の悲しきに
   いかまほしきは命なりけり  
                 桐壺更衣


それは、生きたいのに往かねばならない更衣の悲しみの想いがあふれています。
ときに22歳ごろといわれます。
若すぎるその死・・・・・。

このように、光源氏は両親の不幸からその人生をはじめることになったのです。


つづく

| 香りの冒険者 | 21:31 | comments(0) | trackbacks(0) |
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