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聞香稽古:つれづれなる日々ー2
今年最後の稽古は、
NPO日本伝統文化振興機構の聞香講座でした。
講座では、
香包を入れる総包の作成と
聞香「つれづれの日々」。


 

手にいっぱい糊をつけての作業も終り、
香元作法の稽古、
そして、聞香。

香りは幸せそのもの。

秀悟さんも満足げです。
そして、いつも散歩する大田川の水面に映る美しい月影を思い出して、

 冬の月 大田の川の 水面にとけて
   静かに流れ 海にとそそぐ



香奈さんは

今日は自分の想像したとおりの香りでしたと、
すばらしい香が炷けた
ことを喜ばれ、

 「本年の感謝を詠める」と、詞書して、

 あめとつち いのちなりけり 香の道


本当にすばらしいひととき、
香の道に感謝です。

来年もよりよき日を迎えられますように。






| 香りの冒険者 | 09:23 | comments(0) | trackbacks(0) |
つれづれなる日々

花はさかりに、月はくまなきをのみ見るものかは。雨にむかひて月を恋ひ、たれこめて春の行方知らぬも、なほあはれに情(なさけ)ふかし。

(兼好法師『徒然草』第百三十七段・部分)



今月の稽古は、「つれづれなる日々」。
香りに兼好の心を聞く楽しいひととき。

月と言えば満月美、花と言えば満開美を謳(うた)うのが風潮であり長い伝統であった時代に、「花はさかりに、月はくまなきをのみ見るものかは」と、兼好は強調し、「もうじき咲くであろう桜、散り萎れた花、欠けた月、雨雲に閉ざされた月」も、また、それなりに趣の深いものだと言ったのです。

       (渡辺誠一著『侘びの世界』より)

兼好については、

「四季おりおり」、をどうぞご覧ください。


12月の稽古は、
土曜日の爽やかな朝。
兼好の話を一時間ほど。
聞香炉から香りが立ち上ると、とても幸せな香りがしました。
心は香りにつつまれ自由自在に!

伽羅や羅国には、都の賑わいや、永久の月が目の前に現れてきます。
真那賀や佐曽羅、寸門多羅には、咲く花や散りゆく花、雨雲。

この日は香りにさまざまなことを感じられる日でした。

巴さんは多くのイメージが心にあふれ出たようです。

    伽羅の香に

 薄日さし友禅菊の紫に
   咲き乱れしもあはれなり

    羅国の香に

 闇夜に聴く琵琶の音月高し

    真那賀の香に

 雪間の草の春の土手

    佐曽羅の香に

 夜桜や
 おしろいの香の
 しゃんしゃんとし娘過ぎ

    寸門多羅の香に

 雨にむかいて月を恋ひ
 たれこめて

 香らずもよし春の宵


 さくらんぼうの
 実熟して
 小鳥歌い


      羑代さんは、

 月を恋ひ 想いに満ちる 草堂を
  照らす光の 冴え渡りなむ


     淑子さんは

 さまざまに 心乱れし 時過ぎて
  今を楽しむ 想いのままに


    敦子さんは

 庭にくる 鳥の心の 眼にとらえ
  閑かに過ごすを 楽しみとす



香りは私たちをつつみこみ、
時は静かに過ぎてゆきました。





| 香りの冒険者 | 14:56 | comments(0) | trackbacks(0) |
たまゆら香と舞の會


今年最後の「たまゆら香と舞の會
向島百花園の御成座敷で催されました。
とてもおだやかな日で、
あたたかい陽光が座敷にさしていました。





吉村ゆらさんの「黒髪」の舞を観賞した後、
お茶を頂き、香席がはじまりました。

香席の主題は、万葉相聞歌。

証歌は、

朝寝髪吾は梳らじうるはしき
 君が手枕触れてしものを


朝の寝乱れた髪に愛しい人を想い出す歌ですね。

この日は、ふだんの稽古とは違い組香です。

香組みは、
「朝」、「手枕」、「君」と名づけられた香。
試みに「朝」と「手枕」を聞き、
本香に「君」が加わります。


「朝」には、
静かに香りたつ香木を選んだつもりでしたが、
なんとその日の香は、
この歌の作者の情念が乗り移ったかのように、
「君」と聞き違えるように香りたちました。

びっくりしたり、楽しかったり。
うれしいかぎりです。

やはり香は生きているのですね。
まさに香は一期一会。

素敵な一日でした。
皆様ありがとうございました。



次回の「たまゆら香と舞の會は、
1月16日(日)13時より、
国立博物館庭園内・九条館で催されます。






| 香りの冒険者 | 13:15 | comments(0) | trackbacks(0) |
聞香稽古:徒然草


近くを散歩していると小川のそばに竹林がありました。

兼好法師の暮らしたところにも竹林はあったでしょうね。

先月の聞香稽古の主題は、
兼好法師の『徒然草』。



は、

つれづれなるままに、
日くらし、硯にむかひて、
心にうつりゆくよしなし事を、
そこはかとなく書きつくれば、
あやしうこそものぐるほしけれ。


香組は、

六国五味

聞法は、

香に聞く 兼好の心



兼好については、

「四季おりおり」、をどうぞご覧ください。





香りは、おだやかな香り、
そして、ものぐるしい香り。

心あやしうものぐるほしくも、といった香りでした。

 伽羅の香に、
 兼好の明恵への思いを聞きて


 伽羅の香に 至高の人の 面影や
   明恵を仰ぐ つれづれの法師
                    敦子


 香りに兼好の心を聞きて

 自ずから 望みしことと 思いしも
  緑眼にしみ 心はちぢに

                    羑代


 つれづれに ものをおもえば 来し方は
  夢かうつつか さてまぼろしか

                    淑子

 兼好の 心たずねて 香炷けば
  正月の朝 晴れ着のよそほひ

                    巴





今回も楽しい香りの稽古となりました。

今年も、もう12月ですね。



| 香りの冒険者 | 09:02 | comments(0) | trackbacks(0) |
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