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木槿(むくげ)の花ー2


10日の土曜日は、雨があがり、よい天気でした。
講座も楽しく過ごせましたが、
内容が「中世・乱世の芸能と香の心」。
お話だけでなく、乱世の人々の生き様を少しでも感じてもらおうかと、源平の争乱一の谷の場面を、以前謡を習った時、師に頼んでテープに収めたものを聴いてもらいました。いつもこれを聴くと本当に哀しくなります。
話だけではなく、中世・乱世の感覚がすこしでも理解できたらと思いましたが、伝わったようでした。そして、その当時の今様や、物語、随筆のようなものも話題にしました。香は、「十炷香」のさわりを楽しみました。

花はさかりに、月はくまなきをのみ見るものかは。

雨にむかひて月を恋ひ、

たれこめて春の行方知らぬも、

なほあはれに情ふかし。

            『徒然草』兼好法師

中世・乱世のことを考え、感情を入れると、木槿の花も上のような写真になります。久しぶりに取り出して使ったニコン500mmレフレックスの望遠レンズです。



「四季おりおり」、どうぞご覧ください。


| 香りの冒険者 | 17:50 | comments(0) | trackbacks(0) |
木槿(むくげ)の花


今日も、雨が降ったりやんだりする一日。
庭の木槿(むくげ)がすこし雨に濡れて咲いています。


芭蕉の句  馬上の吟 

道のべの木槿は馬に食はれけり
                        
のように、旅の道中で、きれいだなと思った道ばたの木槿の花があっというまもなく自分の乗っている馬に食われてしまうこともなく、ただ庭で見ているだけですからその心配もありません。瞬間に影も形もなくなった花、芭蕉は驚いたでしょうね。その一瞬の出来事に思わず芭蕉が感じたような幻想的な木槿ではありませんが、それでもやはり、こんなにだらだらと書いているのは、この庭の木槿がなんとなくいとおしいのでしょう。引っ越した時、以前の家の庭から持ってきて植えたものですから。庭の右に薄い紫でしょうか、左は白。また、見つめながら一木一草に宇宙の命を感じ取る禅僧のような気持ちになってみたいとも思いますが、明日の講座の「中世・乱世の芸能と香の心」のこともぼんやりつぶやいてみたり、現代も大変な時代ですが、あの中世も乱世、その時代に生きた人々が生み出した連歌や能、茶の湯や香、水墨画、庭、それらがただただ目の前を幻想のように流れていくような気がして、もう一度目の前の木槿の花をしっかりと見つめるのです。

明日は日本伝統文化振興機構での聞香講座です。
香のお話と聞香体験。

雨があがればいいですね。


「四季おりおり」、どうぞご覧ください。

| 香りの冒険者 | 17:55 | comments(0) | trackbacks(0) |
聞香稽古 西行



西行を主題に聞香稽古。

ましてまして悟る思ひはほかならじ

  わが嘆きをばわれ知るなれば


 いとほしやさらに心の幼びて

魂切れらるる恋もするかな


尋ぬとも風の伝(つて)にも聞かじかし

  花と散りにし君が行へを   西行


久しぶりに西行法師を主題として香りを楽しみました。その人生と歌の数々は語っても語りつくせない多くのものがあります。

芭蕉の言葉が思い出されます。

ーー西行の和歌における、宗祇の連歌における、雪舟の絵における、利休が茶における、その貫道するものは一なり。しかも風雅におけるもの、造化にしたがいて四時(しいじ)を友とす。(略)造化にしたがひ、造化にかへれとなりーー

天地の根源の力、そして、四季のめぐる力、

つまりは自然のもつ力をかんじとって生きた人たち。

香りの力もそこにあるのでしょう。


みなさん西行大好き、稽古の時間はあっという間に過ぎてゆきます。

それぞれに選ばれた香木が香ります。

伽羅、羅国、真南蛮、佐曾羅、寸門多羅の香です。


 吹き荒れる 嵐 こころの うちそとに

  身のおきどころ さがしさがして    敦子


 花を訪ね あくがれいでて 風となり

  心月輪 ゆれる羅国や         羑代


 いとまなき 身をときはなつ 寸門多羅の

  香にみそなわす 花の歌人(うたびと) 良子


 散りし花 心にしまい 旅立ちぬ

  思い鎮まり 行方さだめん       淑子


 韻々と 魂切れらるる そのときに 

  花の下にて こころ和めん      巴




「四季おりおり」、どうぞご覧ください。


| 香りの冒険者 | 16:07 | comments(0) | trackbacks(0) |
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