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聞香稽古 伊勢物語
 

1月の稽古の主題は『伊勢物語』でした。

全編125段、
「むかし男ありけり」ではじまることの多い歌物語。
幾多の恋の小話が展開します。
物語の主題は“みやび”。

初の段は、成人になったばかりの若者の歌。
狩に往き、美しい姉妹と出会い、
狩衣の裾を切って、歌を書き添えたもの。

  
春日野の若紫のすり衣
   しのぶのみだれかぎり知られず

美しい人に出会い、若者の心は限りなく乱れているのですね。


最後の125段の歌は

 むかし、男、わづらひて、心地死ぬべくおぼえければ、

  
ついにゆく道とはかねて聞きしかど
   きのふ今日とは思はざりしを

人の一生を感じさせる歌です。

人生は、
ハラハラ、ドキドキ、
楽しいことも、哀しいことも、
よく味わってみるとそんなにわるいものではない。
生ききることが大切。
でも、あっという間の1回きりの人生。
そう、生きるのは1回こっきり。
せつないですね。
そんなことを感じる歌物語。
みやびな男の一代記は、
さまざまな出来事が展開してあきることがありません。


香りは、六国五味の香木。
それぞれ選んだ歌にあわせて香木も選び、
聞くことにしました。

以前から、最後の125段の歌が好きだと思っていた方が
香りに聞いて

 香に聞く都ぶりをば楽しめど
  きのう今日にはたどりつかまじ
                良子


| 香りの冒険者 | 15:20 | comments(0) | trackbacks(0) |
たまゆら香と舞の会
10日は、向島百花園で、「たまゆら・香と舞の会」でした。
投扇興もあり、楽しいひと時をすごさせていただ
きました。

 




  吉村ゆらさんの舞




香の主題は、井原西鶴『好色一代男』
今回は「身は火にくばるとも」
世之介と太夫夕霧とのお話。

元禄の世に生きた西鶴。
「時代のはしからはしまでくまなく書きとめ、描写し、記録した」といわれます。
『西鶴名作集』の解説で、開高健は次のように記しています。
「性と生についての洞察力、寸鉄的なえぐりだし、連想の飛躍のたのしみなどがつぎからつぎへと波うっておしかけてきてこちらを佇ませ、沈殿させるということがない。一に押し、二に押し、押しに押しまくってくる。部分としては不備で強引で無茶なのに全体的としては圧倒的な印象をのこす。小首をかしげながらも読後、タバコに火をつけ、やおら、やっぱり傑作かとつぶやきたくなる。ある猛烈な、沸騰する、小気味よい精神の航跡にふれた爽快さがある」

香りは、「譬ひやけ死ぬるともここぞかし。(恋のためなら焼け死んでも本望・・・・・)」と、恋を感じる香り。

“元禄の恋”を堪能しました。


次回は、3月22日。上野の国立博物館庭園内・応挙館で催されます。



「四季おりおり」がアップされています。
どうぞご覧ください。

| 香りの冒険者 | 22:44 | comments(0) | trackbacks(0) |
謹賀新年 聞香稽古・東山 足利義政 その2
 

聞香新年
明けましておめでとうございます。
今年も香りの世界を楽しみたいと思います。

1月は、伊勢物語を主題に、
雅の心を香りに味わいます。

昨年の12月の稽古は、聞香東山。
足利義政の心を香りに聞きました。
そのころ、池に泳ぐ白い鯉を見て、
義政のことが頭をよぎりました。





1
436年(永享8)正月2日、足利将軍義教の子として生まれた義政。
幼き日、父は暗殺されます。
兄義勝が後継者となるも、病死。
後を継いだ義政。
13才の少年は、将軍に。

父の死、その後に起きた権力争い。
それを見ながら生きていたのでしょうか。

義政は、当初、「祖父義満や父の時代の幕府の威光を取り戻したいと野心を抱いていた」そうです。
しかし、そうはいかず、将軍として国や民のために何もできずに・・・・・

 くやしくぞ過ぎしうき世を今日ぞ思ふ
   心くまなき月をながめて  


この彼のくやしさを香りに聞きました。

香木はしずかに香り・・・・・

 まつりごと なさずなしえず すべもなく   
  残せしものは 夢の銀閣
                     淑子
 

 寸門多羅の香に抱かれて月静か
  雪やわらかにすべてを包む
                   羑代

 寸門多羅の香につつまれて東山
  月にきらめく 雪やわらかに 
                   羑代

 争いの 中にひとすじ 香の道
  そのすえにいて 東山想う 
                   敦子

 山茶花の香りはなやぐ東山
  心てらせし宵の秋月 
                    巴
                  
| 香りの冒険者 | 08:59 | comments(0) | trackbacks(0) |
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