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聞香稽古・東山 足利義政 その1




今月の稽古は、聞香・東山。
室町時代の将軍・足利義政がテーマです。

ドナルド・キーン著『足利義政・日本美の発見』には、

「日本の心」はどこを出発点としたか。
東山時代こそ、その母体ではなかったか。略
応仁の乱は古い文化の終焉を告げ、そのすぐ後に興った東山文化が「日本の心」を培ったのである。略
東山時代を書く場合、足利義政のことはどうしても避けて通るわけにはいかない。義政の評判は芳しくないが、私としてはそれゆえますますこの人物に惹かれたのである。欠点も多いが、美に関しては誤りがなかったし、応仁の乱で破壊された日本の文化の土壌に、新しい美意識を植え付け、それは貴族にとどまらず、すべての日本人の美的生活に貢献したからだ」
と。

この土曜日も稽古です。
義政をテーマに語りあいましょう。

その前に、ひとつ、当時の連歌師・宗祇の句を

 草木さへふるき都の恨みにて 

応仁の乱で、破壊され焦土となった京の都の悲惨さ、恨みを詠ったのです。


義政は、

 憂き世ぞとなべて云へども治めえぬ
  
我が身一つに猶嘆くかな

時代の流れの中、力のなくなった斜陽の将軍家。
大飢饉や権力争いの中、国を治めきれない憂い、苦悩でしょうか。

さてどのような香りとなりますでしょうか。


「四季おりおり」がアップされています。
どうぞご覧ください。


| 香りの冒険者 | 14:39 | comments(0) | trackbacks(0) |
聞香稽古・恋歌ー3
 

恋の歌とは、恋を得てうれしいという歌よりも、
恋を失う哀しく苦悩に満ちた歌の方が多いようで、
まさに、文学とは悲しみの木になる実とはよくいったものです。

香木は、人の想いを乗せて香ってきます。

香の会のみなさんが、今回の香りに、感じたものは、
稽古での香は5種。

伽羅は、ふくよかに心みたされ、しかし、はかなくもあり・・・・・
羅国は、静かに心にしみ、ものおもう魂のよう・・・・・
真南蛮は、葛藤する香りとなり、わき出る生命のようでもあり・・・・・
佐曾羅は、迷いを捨て去ってくれる香り、あこがれと、澄んだものを感じさせ・・・・・
寸門多羅は、あきらめであったり、キラキラするものであったり・・・・・

香りは、聞く人のさまざまな体験と記憶をのせてやってくるようです。




今からおよそ一千年程前、
平安時代に生きたひとりの女性が、
亡き愛する人を想い、多くの歌を詠いました。


 黒髪の乱れも知らず打伏せば
  
先づ掻き遣りし人ぞ恋しき


              和泉式部



「四季おりおり」がアップされています。
どうぞご覧ください。

| 香りの冒険者 | 19:00 | comments(0) | trackbacks(0) |
聞香稽古・恋歌−2
 

  
朝霧の(おほ)に相見し人ゆゑに
 命死ぬべく恋ひ渡るかも 
                                                                                               

相思はぬ人を思ふは大寺の
 餓鬼の後に額つくごとし

                 笠女郎

もの思へば沢の蛍もわが身より
 あくがれ出づる魂かとぞ見る

君恋ふる心は千々に砕くれど
 一つも失せぬものにぞありける

はかなしとまさしく見つる夢の夜を

 驚かで寝る我は人かは


                 和泉式部


玉の緒よ絶えなば絶えねながらへば

 忍ぶることの弱りもぞする


                 式子内親王


稽古で人気のあった歌です。

歌を心に抱いて、その心を香りに聞く。


淑子さんは、香りに青春時代を思い出し、


 わが想いたくせし雲は流れ去り
  ひとり見上げる空の高さよ



| 香りの冒険者 | 13:02 | comments(0) | trackbacks(0) |
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