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今月の稽古は、聞香・東山。
室町時代の将軍・足利義政がテーマです。
ドナルド・キーン著『足利義政・日本美の発見』には、
「日本の心」はどこを出発点としたか。
東山時代こそ、その母体ではなかったか。略
応仁の乱は古い文化の終焉を告げ、そのすぐ後に興った東山文化が「日本の心」を培ったのである。略
東山時代を書く場合、足利義政のことはどうしても避けて通るわけにはいかない。義政の評判は芳しくないが、私としてはそれゆえますますこの人物に惹かれたのである。欠点も多いが、美に関しては誤りがなかったし、応仁の乱で破壊された日本の文化の土壌に、新しい美意識を植え付け、それは貴族にとどまらず、すべての日本人の美的生活に貢献したからだ」と。
この土曜日も稽古です。
義政をテーマに語りあいましょう。
その前に、ひとつ、当時の連歌師・宗祇の句を
草木さへふるき都の恨みにて
応仁の乱で、破壊され焦土となった京の都の悲惨さ、恨みを詠ったのです。
義政は、
憂き世ぞとなべて云へども治めえぬ
我が身一つに猶嘆くかな
時代の流れの中、力のなくなった斜陽の将軍家。
大飢饉や権力争いの中、国を治めきれない憂い、苦悩でしょうか。
さてどのような香りとなりますでしょうか。
「四季おりおり」がアップされています。
どうぞご覧ください。
「四季おりおり」がアップされています。
どうぞご覧ください。
朝霧の鬱に相見し人ゆゑに
命死ぬべく恋ひ渡るかも
相思はぬ人を思ふは大寺の
餓鬼の後に額つくごとし
笠女郎
あくがれ出づる魂かとぞ見る
君恋ふる心は千々に砕くれど
一つも失せぬものにぞありける
はかなしとまさしく見つる夢の夜を
驚かで寝る我は人かは
和泉式部
玉の緒よ絶えなば絶えねながらへば
忍ぶることの弱りもぞする
式子内親王
稽古で人気のあった歌です。
歌を心に抱いて、その心を香りに聞く。
淑子さんは、香りに青春時代を思い出し、
わが想いたくせし雲は流れ去り
ひとり見上げる空の高さよ