2019.05.23 Thursday
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『日本の詩歌』大岡信著によれば、
当時の女性たちの感情表現は痛切で率直。
自己を見つめる誠実さにおいても、しばしば男性を凌駕。
そのことは、言いかえれば、女性の方が男性よりも、
特に恋愛において、真剣ならざるを得ない諸条件に
取り囲まれていた。
女性の恋愛の歌が、その痛切さにおいても
抒情的迫力においても、男性のそれより一般的に
すぐれていたとすれば、それは言うまでもなく、
彼女らがそれだけ厳しい条件を背負って
恋をせねばならなかったから。
そのため、
ある種の天才的女性詩人にあっては、
恋の歌は彼女の全人生を要約し、
あるいは象徴しているものとさえなり、
すなわち、
恋の歌がそのまま哲学的瞑想の詩となった。
とのことです。
その歌をすこし
我が思ひを人に知れるや玉くしげ
開き明けつと夢にし見ゆる
笠女郎(かさのいらつめ)
もの思へば沢の蛍もわが身より
あくがれ出づる魂かとぞ見る
和泉式部
はかなしとまさしく見つる夢の夜を
驚かで寝る我は人かは
和泉式部
玉の緒よ絶えなば絶えねながらへば
忍ぶることの弱りもぞする
式子内親王
この他に10首ほどです。
稽古は、これらの歌をよみ、自分の選んだ歌のイメージを香りで感じてもらおうというものです。
さて皆さんは、どの歌とどの香木をあわせられるでしょうか。
楽しみです。