今日の向島百花園には多くの人々が来ておられました。
園内には秋の七草が咲いています。
今まで何度も香の會で来ていますがこんなに沢山の人が、それも途絶えることなく来ておられるのを見たのははじめてです。
清楚で気品のある秋の七草は、万葉の時代も今も多くの人々に愛されるのですね。
香の會は午後1時から始まりました。
おもわず挨拶で、萩の話や秋の七草の話になってしまいました。
秋萩の 花咲くころは 来てみませ
命またくば 共にかざさん
良寛さんが、秋萩が咲くころになったらまた来てください、一緒に萩の枝をかざしてあそぶとしましょう、と貞心尼(ていしんに)さんにさし上げた歌です。
私たちも秋の七草を見ながら香の遊びに興ずることになりました。
川元ひとみ先生の「源氏物語」のお話。
吉村ゆらさんの艶やかな舞、演奏の杉浦聡さんのこれまた艶なる声と三味線の音にはうっとりです。
そして、休憩の栗ご飯。
ゆったりとした時間の流れの中、香席がはじまりました。
主題の歌:証歌は
恋わびて なく音にまがふ 浦波は
思ふかたより 風やふくらむ
香組みは、三つの香がそれぞれ三包、合わせて九つの香包みから三包選ばれたかれます。
聞きの名目は、源氏、朧月夜、藤壺、東宮、若紫です。
香元ゆらさんの優雅なお手前から香りでた香気は藤壺でした。
やはりそうだったのか、という思いです。
須磨に自ら流れていったのは、藤壺と中宮の身を案じてか。
と、香りに聞きながら納得しました。
皆様も香りを楽しまれたご様子です。
ありがとうございます、また参加しますとのことでした。
こちらこそ、ありがとうございました。
楽しかった、ありがとうといわれる時ほど嬉しいことはありません。