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聞香『源氏物語』桐壺の帖
光源氏1
『源氏物語・苦悩に充ちた愛の遍歴』より 
発行 株式会社学習研究社       

聞香稽古の香は、しずかに香りました。

いづれの御時にか、、女御、更衣あまたさぶらひたまひける中に、いとやむごとなき際にはあらぬが、すぐれて時めきたまふありけり。
はじめより我はと思ひあがりたまへる御方々、めざましきものにおとしめそねみたまふ。

『源氏物語』の巻頭文です。
この数行によって読者を引き込んでいきます。
当時、読者は女御、更衣たちです。
あら、自分たちのことかしら、ええっ、そんなに身分が高くないけれども、帝のご寵愛を受けてときめいているって・・・。
まわりの人々の嫉妬心が何を起こすかわからない。
みんな興味津々、もう、ドラマの幕開きです。
それは、光源氏の父と母の恋の悲劇のはじまりです。
『源氏物語』で詠われる歌は、およそ800首ありますが、その最初のものがこの卷で詠まれます。
それは、母・桐壺更衣の悲しい歌。
俵万智著『愛する源氏物語』によりますと、

帝「限りあらむ道にも後れ先立たじと契らせたまひけるを。さりともうち棄ててはえ行きやらじ」
(定めらた死出の旅立ちさえ、私たちは共にと誓ったではないか。よもや私を見捨てては、行かれますまいね。)

この言葉をうけて、息も絶え絶えに、更衣が返したのが次の一首と、言葉です。

かぎりとて別るる道の悲しきに
いかまほしきは命なりけり

いとかく思ひたまへましかば

(運命とはいえ、あなたと別れてゆく道の悲しさ。私が行きたいのは、命の生きるほうの道なのに・・・)

限りある命だけれどどうしても
今は生きたいあなたのために
 (俵万智訳)

死の間際になって、源氏の母、桐壺更衣は、生きたいと心の底から思ったのです。
この、生きたいと思うエネルギーがもっと以前に彼女の中に激しく燃えていたならば・・・、周囲のいじめにも耐え抜いて病にならずにすんだかもしれない・・・。


| 香道 | 10:00 | comments(0) | trackbacks(0) |
最近よく聴いている曲
内藤やす子
「やさしさ尋ね人」内藤やす子 発売元株式会社ラジオシティレコード 発売:ワーナー・パイオニア


最近よく聴いています・・・、このアルバムを・・・。
内藤やす子さんの歌を・・・。


とてもすてきな曲がいっぱい入っています。

加藤登紀子さんの作詞・作曲「生きいそぐ青春」は、
今も青春だと思っている人にとっては素晴らしい曲です。

歌詞は、

「生きいそぐ青春」

風よ吹け 吹きとばせ 心の中まで吹きぬけろ
風よ吹け 吹きとばせ 心の中まで吹きぬけろ
一度きりのこのいのち
略・・・

明日はむこうから来はしない
傷ついたこの手につかむのさ
走りつづける車輪のように
生きいそぐ青春
風よ吹け 吹きとばせ 心の中まで吹きぬけろ
風よ吹け 吹きとばせ 心の中まで吹きぬけろ


おもわず声に出して一緒に歌い出してしまいます。


“心の中まで吹きぬけろ”



生きいそぐ青春」とは、どのような香りに包まれているのでしょうか。


今月の聞香稽古の主題は、「源氏物語」です。
紫式部によって千年前、わたくしたちの前に登場した光源氏。
人というものは、いつの時代にもあい通じる心模様を持つものなのでしょうか。
確かめてみます。

父と母の悲しくも苦しい恋にはじまった光源氏の人生。
三歳の時に亡くなった母・桐壺更衣の面影を求めてさまよう青春は・・・。


光源氏
『源氏物語・苦悩に充ちた愛の遍歴』より                 
発行 株式会社学習研究社


香りに聞いてみよう。
光源氏の青春を・・・。



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| 香りの冒険者 | 12:46 | comments(0) | trackbacks(0) |
竜ゴン君のお話
竜ゴン君に、彼のお父さんのことをたずねました。
すると、「う〜ん」と言ったかと思うと、すっと僕の前に一冊の絵本があらわれました。

まるで魔法のよう!

「これを読んでみて、親父ではないけれど、よく似ているよ」

その絵本のタイトルは『のんきなりゅう』です。



りゅうほんケネス・グレアム 作 インガ・ムーア 絵 中川千尋 訳  徳間書店発行


とても美しい絵本です。

表紙には、花の咲く野原で楽しそうに語り合う“りゅう”と“少年”が描かれています。
チョウチョも飛んでいますね。



絵本の解説には次のように書かれています。
「見かけはおそろしいけれど、こころのやさしいりゅうと友だちになった、かしこい男の子。りゅうを退治するために村へやってきた騎士・聖ジョージは、男の子のおかげでりゅうが悪者ではないと知りますが、決闘を待ち望む村の人たちをとめることができません。そこで、三人が考えたのは・・・?
悪いりゅうを退治し、人々を救ったという騎士の伝説をヒントに、『たのしい川べ』で知られる英国の作家グレアムが書いた楽しいお話に、人気画家ムーアが美しい会を添えました」


読みましたら、ほんとに美しく楽しい本でした。


竜ゴン君の家系のことや性格がよくわかりました。
「すがたこそおそろしげですが、とてもゆかいなりゅう」



それにしても、「騎士・聖ジョージは、男の子のおかげでりゅうが悪者ではないと知りますが、決闘を待ち望む村の人たちをとめることができません」とは、いつの時代もあることなのですね。男の子は、いらいらしていうのです。「たたかいをみたいだけなんだから。みんな、三度のごはんより・・・」聖ジョージは、かなしそうにつぶやき、ほおづえをつき、「この世は、よからぬものにみちているのだな。どうやら悪というものは、りゅうの体内にだけ封じこめられていりわけではないらしい。・・・略」
りゅうがいいました。「しかしあなた、たたかう理由なんか、ないじゃありませんか。いずれにしても、ぼくに、たたかうつもりがないので、話はそれでおしまいですがね」
でも話はそれでおしまいにはならないのです。

さたさて、仲良くなったこの仲間たちは、村人をまえに、どのような知恵をはたらかすのでしょうか・・・。


「のんきなりゅう」は詩が大好きで、やさしいのです。
ところで、東洋での竜は神聖視されていますが・・・、西洋の竜:ドラゴンは悪の象徴のようにされているなあ。


どうしてなの、竜ゴン君?


「おれが知りたいよ!」


古代中国では、あまりにも香りがいいので竜の涎(よだれ)が固まってできたものに違いないと、「竜涎香(りゅうぜんこう)」と名付けた貴重な動物性香料があるんだけれど・・・。


「それは、ローマ時代の貴婦人にも愛された香料だ」


ふむ、こんどは、お母さんについて聞かせてよ。


「うん、またね」




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| 香道 | 22:21 | comments(0) | trackbacks(0) |
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