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12月の聞香稽古は「星の王子さま」
星の王子・ポスター「星の王子さま」ポスター 絵:サン=テグジュペリ

今年も12月には、星の王子さまと会います。

王子の星が僕たちの真上に来るのかな・・・


と、いうわけで、


12月は、聞香稽古の主題は、



香りに聞く“星の王子さまの心”です。


もう4年間、会い続けています。


家にも王子がやってきます。


飾ってある「星の王子さま」のポスターからぬけでてくるのです。



少し寂しげで・・・
宇宙のなかに秘められた愛を、心の目で見つめているよう・・・




お稽古がはじまる時、
いつもエディット・ピアフのシャンソン「LA VIE EN ROSE/バラ色の人生」を聴きます。


CD[EDITH PIAF]東芝株式会社


曲が流れ始めると気分は一気に1940年代のフランスへと・・・
そこは、戦場となっていました・・・“ひもじい思いや寒い思い”をしている人々がいっぱいいたのです、しかし、その苦しみのなかにいても真実の愛を求める多くの人々がせいいっぱい生きておられたのです・・・僕たちの父や母も・・・




「星の王子さま」の作者:サン=テグジュペリは
1900年6月29日ローヌ河畔の都市リオンに生まれました。

ピアフは、15年後の1915年12月19日に生まれています。



彼女の歌う「バラ色の人生」は、星にのこしてきたバラの花との約束を守るために、毒蛇コブラに身を噛ませても星にもどっていく王子の心が歌われているような気がします。



ピアフは歌います。

あの眼で見つめられると・・・略


≪君は僕のもの
一生、僕は君のもの≫


そうあのひとは言った、誓ってくれた
だから、あのひとの姿が見えるととたんに
すぐ私は感じる
胸がときめくのを
ラ・・・ラ・・・ラ・・・



魂の結ばれた関係、
その絆は、


≪君は僕のもの
一生、僕は君のもの≫


なのですね・・・



『星の王子さま』の中では、王子は地球の庭に咲いている五千本ほどのバラの花にむかって、次のように言います。

「あんたたち、ぼくのバラの花とは、まるっきりちがうよ。それじゃただ咲いているだけじゃないか。だあれも、あんたたちとは仲よくしなかったし、あんたたちのほうでも、だれとも仲よくしなかったんだからね。ぼくがはじめて出くわした時分のキツネとおんなじさ。
あのキツネは、はじめ、十万ものキツネとおんなじだった。
だけど、いまじゃ、もう、ぼくの友だちになってるんだから、この世に一ぴきしかいないキツネなんだよ」

「あんたたちは美しいけれど、ただ咲いているだけなんだね。
あんたたちのためには、死ぬ気になんかなれないよ。
そりゃ、ぼくのバラの花も、なんでもなく、そばを通ってゆく人が見たら、あんたたちとおんなじ花だと思うかもしれない。
だけど、あの一輪の花が、ぼくには、あんたたちみんなよりも、
たいせつなんだ。
だって、ぼくが水をかけた花なんだからね。
覆いガラスもかけてやったんだからね。
ついたてで、風にあたらないようにしてやったんだからね。
ケムシを・・・二つ、三つはチョウになるように殺さずにしておいたけれど・・・殺してやった花なんだからね。不平もきいてやったし、
じまん話もきいてやったし、時には、どうしたのだろうと、きき耳をたててやった花なんだからね。ぼくのものになった花なんだからね」

そして、「だれかが、なん百万もの星のどれかに咲いている、たった一輪の花がすきだったら、その人は、そのたくさんの星をながめるだけで、しあわせになれるんだ」

(『星の王子さま』内藤濯訳 岩波少年少女文庫)


なのですね・・・
王子にとって、この世にたった一つしかないバラとなったバラの花。
それは、星にのこしてきたバラの花。



≪心の砂漠≫に不時着したパイロットと同じく、
心が砂漠状態になって星を飛び出した王子が求めたものは、
すべてのものをつきぬけた生死を超えた愛なんだ・・・
そう思う・・・



“生死を超えた愛”


最近は、物語作品の中に書かれている言葉としてではなく、実人生のなかで、実感として把握できる言葉、感情として・・・
僕の中に、つきあげてくるような気がします。



香りは、なにを伝えてくれるのだろうか!

      ★
  ★
                  ★


しずかに静かに、夜空の星を見つめながら香りに聞いていこう。

  


心の目でしか見えない大切なものを・・・

                     



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