朝方の雨もすっかり上がり晴れ間も見えたので近くの図書館に出かけました。道すがら背丈ほどのコスモスが群生しているところに出会いました。
ピンクに白、紫がかった赤い花が細い繊細な茎の上で風にそよいでいる姿はとても美しい。地上の天国って感じかなあ。
木々に囲まれ曲がりくねった細い道をくぐり抜けるとトランペットやサキソフォンの音が聞こえてきます。高校があつて吹奏楽部の生徒が練習しているのです。
槿もまだ咲いていて、金木犀(きんもくせい)の香りもしてきます。
目的の本が見つかった後、書棚の辺りをうろうろしていると、紫色の表紙の本が目に入りました。タイトルは『癒しのお香』。高貴な樹脂・ハーブ・スパイスを楽しむインセンスガイド、とあります。
裏表紙には、
◎この本は、薫香入門のための実践的な手引きです。
略
◎炭の上で焚くと、香りの魔法が解き放たれます。
うむ、香りの魔法!
読んでみよう。
開いて中を読み始めると、薫香のことが具体的に書かれた楽しい本でした。
著者はカーリン・ブランドル。1960年生まれ。デザイン学士。作家、芸術家、占星術師としてドイツで活動とある。監修:長谷川弘江、訳:畑澤裕子。
帰りながら考えていたのは、香りの表現の仕方。言葉で表現することはなかなか難しい。
まえに、フレグランス・スクールの先生や学生と聞香の稽古をしたが、香りの印象を表現するのがとても上手だった。
家に帰ったら『源氏物語』を書いた紫式部の表現を読み返してみよう。
心にくく静かなる匂いとか、勝れて
艶めかしう懐かしき香なりとかだったかなあ。
犬を連れたおじさんに出会う。
猫が垣根のそばを忍び足。
なぜ、忍び足!